温帯低気圧と風-発達するとパラダイスの温帯低気圧

普段、天気予報で低気圧と言われて日いるのは、正確には温帯低気圧という種類の低気圧です。 日本は北緯35度、ちょうど熱帯の暖かな空気と、北極やシベリアの冷たい空気が出会う所に位置していて、日本付近では常に南風が吹いたり北風が吹いたりして空気の入れ換えが行われています。

この入れ換えを広い目で眺めてみると、暖かい南風が吹いている所と、冷たい北風が吹いている所が互い違いになっていて、大きな渦を形伴っています。これが温帯低気圧です。 
温帯低気圧は南北で温度差があるときに、その境界でできるものなので、日本では全国的に暖かい空気に覆われる真夏は発達しにくく、秋から春の間に多く発達し、ときには全国的に暴風が吹き荒れ、海上は大シケとなることがあります。 
温帯低気圧
温帯低気圧の特徴は、寒暖2種類の空気が渦を巻いているために、その境目に前線ができることです。前線をはさんで向こう側とこちら側では、空気の性質が違うので風向きや気温、湿度が激`変します。 

温帯低気圧の中心の北側から西側は冷たい空気のエリアで、北よりの冷たい風が低気圧の中心に向かって吹き込んでいます。一方低気圧の中心の東側や南側では暖かい南風がやはり低気圧の中心に向かって斜めに吹き込んで、ここでは気温は高くなっています。低気圧の中心に向かって吹き込んだ風は行き場がなくなってしまいますから、空に向かって上昇し、雲を作ります。低気圧が近づくと天気が悪くなるのはこのためです。 

また、前線の所では暖かい空気と冷たい空気が触れ合い、場合によっては激しく押し合いをしているので、低気圧の中心から離れていても雨雲が多く発生します。 特に、低気圧から西あるいは南に伸びる寒冷前線の所は大きな積乱雲が発達して、突風や雷が起こりやすく、風向きも急変しやすいので危険です。 

温帯低気圧は余程のことがない限り少し風が強まって雨が降る程度で済みますが、猛烈に発達すると台風並の風も吹きます。 しかも、発達した温帯低気圧は直径2,000km、台風の2倍にも達することがありますから、逆に1日風を見逃してしまっても、次の日にまだ吹いているということもあるわけです。下手をすると暴風が丸2日ぐらい吹き続くこともあります。

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