気圧配置と風-吹く気圧配置を見分ける方法

まだ学生の人にはわからないかもしれませんが、会社に入ると大体エリートコースというのがありますOどこそこの支店のこのポジションに就くと、次は本社の部長だとか、ワシントン駐在は出世コースだけどヤク-ツタ駐在はそうでもないとか。下手をすると新入社員で本社に配属されるのは、あまり期待されていないなんていう会社も開いたことがあります。

実は高気圧や低気圧にもエリートコースがあって、生まれたての頃はわからなくても、その後どういうコースをたどるかで、発達するかどうかを見分けることができます。 

低気圧は西から東へ移動するのが普通ですが、その中にも北へ向かう低気圧と、東あるいは南に下がりながら進む低気圧があります。低気圧のエリートコースは、北へ向かうコースで、特に東シナ海の台湾あたりから東北地方の東海上へ進んだり、対馬海峡からオホーツク海へ進んだりするコースは、典型的な低気圧の出世コースです。 

低気圧の発達というのは、具体的には中心気圧が下がることで、中心気圧が下がると空気を吸い込むカが次第に強くなり、風が強くなりますOしかも低気圧がこのエリートコ-スを通ると、ちょうど日本列島に沿って進むような形になるので、全国的に海や山は大荒れの天気となります。 

一方、事務系社員と技術系社員の出世コースが違うように、移動性高気圧と低気圧では発達するコースや発達のしかたが違います。高気圧のエリートコースは低気圧とは反対に、北から南へ下がりながら進むコースです。中国大陸にあった高気圧が東へ進んできて九州から日本を覆いはじめ、やがて関東地方の南東の海上へ出るコースが高気圧の典型的な出世コースですが、高気圧が発達しているかどうかというのは中心気圧よりも、高気圧の大きさの問題です。 

エリートコースを進む移動性高気圧は、大陸にあるときには東西方向におよそ1,500kmぐらいの大きさです。それがまっすぐ東へ進んでもあまり大きさは変わらないのですが、南に下がりながら進むと、関東地方の南東の海上に進む頃には東西方向におよそ4,000km、南北方向にもおよそ3,000kmぐらいまで膨らむことがあります。高気圧が膨らむということは、その分だけ高気圧の中心からの風の押し出しが強まっているということですから、発達した高気圧の縁では風が強まります。

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-風と波をつかむ方法