温帯低気圧の東側には温暖前線が伸びています。低気圧は西から東へ進みますから、低気圧が通過するときは、最初に温暖前線が近づいてきます。
温暖前線というのは、もともとあった冷たい空気の上に南から進入してきた暖かい空気が乗り上げている所の境界線のことです。暖かい空気は冷たい空気の上を稜やかな角度で這い上がり、前線の北側では広い範囲に雲が広がっています。
温暖前線が近づいてくると、まず上空に刷毛で書いたような雲、巻雲が現れ、その後次第に薄い雲に空が覆われてきますDさらに時間が経つと、雲はさらに厚みを増してきて高さも低くなってきます。 そして、いよいよ前線が近づくと空には灰色の低い雲が垂れ込めて、どんよりとしたくもり空となり、弱い雨、気温が低ければ雪が降り出します。そして前線付近では雨の降り方も強くなり、場合によっては雷を伴うこともあります。
ところで、温暖前線が近づいてきたときの風で低気圧のコニスを予想することができます。
雲が広がって、東から北東の風が吹いてきたときは温暖前線が南にあるときですから、低気圧の中心も南を通ることになります。そうすると、風は北東から北、北西というように左回りに変化して、南向きのビーチならずっとオフショアが吹き続くことになります。
吹き始めが南東の風なら、温暖前線が北にあるということになり、低気圧の中心も北を通このようなときには雨はあまり降らず、南東の風が南、南西と右回りに変化して、南向きのビーチならオンショア、北向きのビーチではオフショアになりますが、そのうち低気圧が東に抜けると西~北西あるいは北風に変わmm 低気圧が北を通るか南を通るかは、テレビやラジオの天気予報でも解説していますが、低気圧というのは結構気紛れで、たまに予想に反してコースが変わってしまうことがあります。
温暖前線の風の吹き方がイメージできていれば、天気予報を見逃してしまったときや、低気圧のコースがはっきりしないとき、また天気図になかった局地的な低気圧が現れたときなどに、風の吹き方から低気圧がどこにあって、どこに進みそうなのかを判断することができて便利です。