風と波をつかむ方法-風の流れのでき方

私たちの身のまわりには、さまざまなものは洗面台や風呂の栓を抜いたときにできる渦から、大きなものでは低気圧や台風までさまざまな渦がありますが、大きさは千差万別でも、これらの渦に共通しているのは、わざわざ手を加えなくても自然にできるという点です。 

そもそも渦ができるのは、空気や水の流れに向きや速さの違う所があるからです。例えば、北風と南風がすれ違うように吹くと、その間にぐるっと回転するような流れが生じて、これが渦巻きの元になります。向きが同じ風でも速さが違うと問に渦のタマゴができます。 

もう1つ、渦巻きの原因となるのがコリオリの力です。コリオリの力と言うのは地球が球体で自転しているために生じるもので、空気や水のように地球上を流れる物体に対して、その進行方向を北半球では右に、南半球では左に変える働きをします。 ですから、例えば北半球で最初、南から北に向かって吹き出した風は次第に向きを北東、東と変えて行くことになります。

風も回る

このように風はまっすぐではなくて、常に向きを変えながら曲線に沿って吹いているのですが、そうすると今度は遠心力が働いてきます。この遠心力は日頃経験することが多いでしょう。車がカープの外側に振られるのも、ウインドサーフィンで、リッビングの飛沫がターンの外側に飛んで行くのも遠心力のせいで、遠心力は必ずカープやターンの内側から外側へ向いて働きます。このため地球上を曲線状に吹く風はカーブの外側に膨らむように吹いています。 

台風
北半球できる台風は左回りで、右向きに進む。

また、摩擦も軽視することはできません。風は地面や海面と接するために、その抵抗によって風速が落ちます。しかも風速の落ち方は、接しているのが海なのか陸なのか、陸ならば平原なのか起伏の多い土地なのか、そういったことによってずいぶん違います。 

このような力が複合されて地球上の空気や水は渦を巻いて移動するのですが、この渦巻きと言う流れは、物体を上下に流すのに非常に効率の良いしくみなのです。試してみるとわかりますが、ペットボトルの水を最も速く外に出す方法は、ボトルをぐるぐる回して渦を作るのが一番です。

同じように、排水口から水を流すにも、台風のように強い上昇気流を起こすにも渦巻きが自然と利用されているのです。コーヒーをかき混ぜるときや洗濯機を回すときには人工的に渦巻きを作りますが、これは人間が経験的に渦巻きの効率の良さを知っていたからに他なりません。

[ スポンサーリンク ]

-風と波をつかむ方法