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ウインドサーフィン 関西ゲレンデガイド|ウインドグル全国版

トレードウインド-熱帯地方の貿易風

地球上にはさまざまな規模の風が吹いていますが、中でも赤道に向かって吹き込む東風の存在は昔からよく知られていて、帆船の時代には、この東風が吹いている海域は海上貿易のための重要な航路でした。

そのため、この東風は今でも赤道貿易風(トレードウインド)と呼ばれています。コロンブスがアメリカ大陸にたどり着けたのも、マゼランが世界一周できたのもこの東風が吹いていたからこそです。 

赤道に向かって風が吹くのは、ハドレー循環という大きな大気の南北循環によるものです。赤道直下では、海も陸地も一年中強い日射にさらされて非常に空気が暖まります。このため上昇気流が盛んになって、上昇した空気を補うために南北から空気が流れ込みます。 

また、上昇した空気は対流圏界面という空の天井につきあたると、それより上へは上昇できずに南北に分かれて流れて行きます。南北へ向かうということは、一周4万kmの赤道上にあった空気が、ただの点である北極や南極に向かうということですから、次第に空気が混み合ってきて、やがてあふれた空気が地表に向かって下降し始めます。

こうして強い下降気流ができて、地表には大きな高気圧ができます。この高気圧は滝のように落ちてくる下降気流によってできる高気圧ですから、天気はずっと晴れで、下が陸地の所ではサハラ砂漠のような砂漠になってしまいます。海の場合は、大きな高気圧の中に入ってしまって風が吹かず、昔はこの高気圧にはまりやすい緯度300から350ぐらいのところは馬の緯度と呼ばれていました。これは、無風で船足が遅くなるので積み荷の馬を海に捨てたことから来た言葉です。 

しかし、高気圧の縁では風が強く吹き出していて、高気圧の赤道側では赤道の上昇気流に向かって、北半球では北東、南半球では南東の風がコンスタントに吹くことになります。ただし、本当の赤道直下、上昇気流がまさに起こっている所では、南北2方向からの貿易風がぶつかって無風になりやすく、大航海時代には暑さと水不足のために船上叛乱まで起こったことがあったそうです。 

今では偏東風を頼ってのクルージングなどは、お金持ちか余程好きな人のすることですが、偏東風はエル・ニーニヨ現象や台風のメカニズムと大いに関わっていると考えられ、昔とは別の観点から重要な意味を持つようになっています。

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