夏の海で、午前中はせいぜい5ysぐらいのオンショアだったのが、昼を過ぎて2時、3時になると10%を超えて日が暮れるまで吹き続ける。そんな経験をしたことはありませんか。これは日射Lが強く日中の気温が高くなる時期に現れる海陸風の仕業です。
空気は暖まると軽くなります。真夏には太陽がギラギラ照りつけるので地面が熟せられ、気温は日陰でも30℃、直射日光の当たる所では40℃を超えるほどになります。しかしこれは陸上の話で、海の上では海面が太陽光線を反射してしまい、また、元々水というのは土と比べると暖まりにくいので、気温はそれほど上がりません。このため夏は内陸吾Bほど気温が上がり、海上の方が気温は低くなります。
つまり相対的に内陸部の空気の方が軽く、海上の空気の方が重くなりますので、内陸部では空気に浮力がついて上昇し、その後に海から空気が流れ込み海風が吹きます。夏の日中の気温は太陽高度が最も高い正午の少し後、午後2時から3時ごろがピークとなりますから、この海風の進入も午後がピークとなります。
反対に夜になると、海上の気温はあまり変化がありませんが、陸地はどんどん冷えてきます。すると昼間とは逆に内陸部の空気は重くなり、地を這って海の方に流れ出そうとし、陸風が吹きます。このような昼と夜で向きが入れ代わる風を海陸風、昼間の海風をサーマルウインドと言います。もし元々無風の状態なら、昼は海風、夜は陸風となるのですが、始めから5ysのオンショアが吹いていると、昼間は海風によってオンショアが5Ysほど加速されてiorsになり、夜は陸風と打ち消しあって無風となります。
大阪では夜になると風がバクッと止んで眠れないほど蒸し暑くなります。いわゆる凪(なぎ)ですが、これは太平洋高気圧から吹き出す夏の南風と夜の陸風が打ち消しあった結果です。
サーマルウインドは日射Lが強くなる春頃から吹き始めます。太平洋側の地方の天気予報で北の風、日中南の風、晴れあるいは南の風、日中やや強く、晴れなどと言うことがありますが、この日中南の風や日中やや強くというのは、 ``サーマルウインドが吹きますよ"、という意味なのです。 このため春から夏にかけては日中より朝の方がオンショアになりにくく、サーフィンには適しているということになります。