ひまわりと風-気象衛星ひまわりの画像で風がわかる

近ごろの天気予報で必ず出てくるのが気象衛星画像、いわゆるひまわりで見た雲の様子というものです。番組によっては、天気図を省略しても気象衛星画像は見せるというのもあるほどで、天気図をじっくり見せる時間は以前よりも減っているというのが現実です。

でも、天気図を見ないと風はわからない。雲の様子を見たって、天気はわかっても風はわからないから意味がないと思うのは間違いです。 雲というのは、上昇気流のある所にできます。

一方、下降気流のある所には雲はできません。ですから、雲の様子を見れば、まず上昇気流の所と下降気流の所がわかります。おおざっぱに言えば、上昇気流の所は低気圧、下降気流の所は高気圧ですから、これだけでも高気圧、低気圧の大体の分布を知ることができます。あとは、いろいろな雲のパターンを覚えてしまえば、かなり正確に風の状況を読み取ることができるようになります。 低気圧が発達するときは、まず平べったい三角形の角を丸くしたような形の雲が現れます。この雲の下の縁の真ん中あたりが低気圧の中心です。低気圧が発達してくると、三角形の右半分は北に盛り上がり、左半分は南の方に垂れ下がってきます。北に盛り上がっている雲は温暖前線、左側は寒冷前線で、その間のあまり雲のない所は低気圧の暖域、南風が吹いている所です。発達しきった低気圧は雲がきれいに渦を巻くので一目でわかります。 

また、気象衛星画像で真っ白にはっきり写っている雲は、雲の頂上部分が高い雲、しかも、ダンゴ状になっているのは積乱雲で、その下では突風や落雷が起こっています。同じ真っ白な雲でも東西に筋のように伸びているのは上空に浮かぶ雲で、地上の風とはあまり関係ありません。そして、薄く広がっている感じの雲は高気圧の南に広がる低い雲で、このような雲のところは大体北東か北の風が吹いています。 ただ、気象衛星画像の見方で気をつけなければならないことがあります。テレビで見せている気象衛星画像というのは、実はカメラではなくて一種の温度計なので、冬になり、地面が極度に冷えていると、雲がないのに白く映って、雲と見誤ってしまうのです。また、あまり低い雲は反対にグレーに映って見えにくくなって、見逃してしまうことがあるので、残念ながらあまり狭い範囲の風を読むには適しません。

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-風と波をつかむ方法