5月の中旬、本州や九州、四国が初夏の陽気に包まれる頃、南の沖縄では早くも梅雨を迎えます。梅雨前線は始め中国大陸の南部から八重山諸島の方に伸びてきて、その後北上南下を繰り返しながら次第に北の方に移って行きます。
このため沖縄の梅雨は入りも明けも本土より1ケ月ほど早くなり、梅雨は期間がちょうど暦の小満から空種の頃が梅雨に当たるため、梅雨のことを小満菅種(ス-マンボース-)と言いHI 夏至の頃になると夏至南風(カーチベ-)が吹いて梅雨前線を北に押し上げ、沖縄に夏がやってきます。カーチベ-は太平洋高気圧から吹き出す強い南風のことで、沖縄では梅雨明けからしばらくの間、wx前後の南風が吹き続けます。
沖縄には台風も早い時期から接近し、8月が台風シーズンのピークです。 カーチベ一によって北へ追いやられた梅雨前線は、10月の上旬に大陸の高気圧から吹き出す北東の季節風新北風(ミ-ニシ)によって秋雨前線となって沖縄に戻ってきます。
このミ-こシに乗ってタカの一種のサシバという鳥が宮崎県から渡って来るようになると、沖縄の長い夏も終わりを告げます。秋は沖縄にも移動性高気圧がやって来たり、東シナ海を低気圧や前線が通過したりします。この時期に現れる、本土で言う小春日和を沖縄では夏小(ナチグワ)、北を通過する低気圧や前線に吹き込む南風を種子取りの南(タントリノベ-)と言います。
12月になるとさすがの沖縄にも冬が訪れ、沖縄には北から北東で10%から15%の冬の季節風が吹きつけます。この寒波を冬至寒さ(トウンジーピーサ)、1月の旧暦の12月8日に行われる鬼餅(ムーチ-)の行事の頃に来る強い寒波をムーチ-ピーサと言います。
3月(旧暦の2月)になると、低気圧が沖縄の近海で急に発達するようになります。すると、沖縄付近を次々と寒冷前線が通過して、南の強風と北の強風が入れ替わり立ち替わり吹くようになります.絶え間なく、しかも風向がコロコロ変わるこの風の吹き回しを2月風廻り(こンガチカジマ-イ)と言い、海は大荒れになります。低気圧がもっと北、本土の近くを通るようになると沖縄は移動性高気圧に覆われるようになり、5月にハブ対策注意報が出る頃まで穏やかな晴れの日が続きます。